近年、職場での大きな話題となってきているハラスメントのテーマは、“セクシュアルハラスメント”と“パワーハラスメント、“マタニティハラスメント”です。
また大学や研究機関では“アカデミック・ハラスメント”も関心の高い問題です。
いずれのハラスメントも、働きやすい職場環境に大きな支障を与えることから、労務管理上無視できない重要な課題となっています。そして、こうしたハラスメントの起きる背景には共通する原因として、企業体質や風土、更には仕事の進め方が深く関わっていることが挙げられています。
職場のハラスメントの種類について
セクシュアルハラスメント
職場のセクシュアルハラスメントとは、「相手方の意に反する性的な言動で、それによって、仕事をする上での一定の不利益を与えたり、職場の環境を悪化させたりすること」と定義されます。
セクシュアルハラスメント防止は事業主の義務
2007年から施行された男女雇用機会均等法の改正で、事業主は雇用管理上セクシュアルハラスメント防止の措置を講じなければならないと規定されました。
パワーハラスメント
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の有意性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える 又は職場環境を悪化させる行為」(職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告より)のことを言います。
雇用管理とパワーハラスメント予防
パワーハラスメントの起きる職場は、仕事の進め方やコミュニケーションなど職場環境に問題があるといえます。パワハラのない仕事のしやすい風通しの良い職場環境を保つことは、事業主努めなくてはならない雇用管理上の問題です。
マタニティーハラスメント
妊娠・出産・育児休業等を理由にして嫌がらせをされることを、マタニティハラスメントと言います。
マタニティハラスメント防止も事業主の義務
男女雇用機会均等法が2017年1月に改正・施行され、セクシュアルハラスメントと同様に、事業主には、女性労働者が妊娠、出産による休業や、休業を請求することで就業環境が害されることのないように、雇用管理上必要な措置を講じる義務が課せられました。
アカデミックハラスメント
アカデミック・ハラスメントとは、「研究教育の場において優位な力関係のもとで教育・指導の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与え教育環境を悪化させる行為」を指します。
大学などの教育・研究の場で問題となっており、教員と学生、大学院生間の指導をめぐる問題だけでなく、教員間のトラブルも多く発生しています。